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本研究は、大垣市民病院薬剤部内に設置されたサテライト研究室である医療連携薬学研究室と実践薬学大講座 病院薬学研究室の共同研究により実施され、研究成果は、Union for International Cancer Control(UICC;国際対がん連合)のオフィシャルジャーナルである英文学術誌「International Journal of Cancer」(#)に掲載されました。
※著者および所属は以下のとおり;郷 真貴子(大垣市民病院 薬剤師)、野口 義紘(病院薬学研究室?医療連携薬学研究室 准教授)、増田 陸人(病院薬学研究室 学部生)、浅野 裕紀(大垣市民病院 薬剤師)、木村 美智男(大垣市民病院 調剤科長)、宇佐美 英績(医療連携薬学研究室 特任教授、大垣市民病院 薬剤部長)、吉村 知哲(病院薬学研究室?医療連携薬学研究室 教授)

研究背景と研究成果のまとめ

CDK4/6阻害薬に関連する最も一般的な毒性には、骨髄における白血球および好中球前駆体のCDK6の阻害による白血球減少および好中球減少があります。これらの血液毒性は、CDK6よりもCDK4に対する選択性が約13倍高いアベマシクリブと比較して、パルボシクリブにおいてより一般的に観察されます。アベマシクリブにおいては骨髄抑制の頻度が低い一方で、下痢などの副作用発症率が高いです。このように、パルボシクリブとアベマシクリブは、CDKの選択性の違いにより発症する副作用が異なることが知られていますが、これらの違いのすべてが明らかになっているわけではありません。

本研究では、市販後サーベイランスに用いられる米国FDAの自発報告システムFAERSのデータを用いて、CDK4/6阻害薬と顎骨壊死の関連について調査しました。

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CDK4/6阻害薬のうち、アベマシクリブについては口内炎関連の有害事象を検出し、パルボシクリブについては口腔内軟部組織損傷や感染症などのシグナルを検出しました。また、顎骨壊死のシグナルが検出されたCDK4/6阻害薬は、パルボシクリブだけであり、ビスホスホネート製剤とデノスマブの併用を共変量として調整した後でもシグナルが検出されました (調整報告オッズ比95%信頼区間下限値: 6.09)。

口腔内には数千種類の細菌が存在し、粘膜免疫系は様々な微生物から身を守り、口腔免疫恒常性を維持していますが、自然免疫の機能不全と相まって細菌叢のバランスが崩れると、複数の粘膜疾患を引き起こす可能性があります。腸管粘膜バリアとは異なり、口腔粘膜バリアは歯肉接合部の特殊な構造により脆弱であるため、口腔粘膜上皮バリアの完全性が破壊されると顎の感染症につながり、それによって細菌の侵入やコロニー形成が促進されます。このような口腔内の粘膜潰瘍は顎骨壊死における最初の病理学的事象と考えられています。パルボシクリブによる骨髄抑制の発症率は、アベマシクリブより高いことから、パルボシクリブ関連顎骨壊死は、パルボシクリブの骨髄抑制による免疫抑制が口腔内細菌叢のバランスを崩すことが原因である可能性があります。

以上、本研究で検出されたパルボシクリブのシグナルは、口腔軟部組織障害や感染症との関連、歯?口腔軟部組織感染症や顎骨壊死との関連を示唆しています。

論文情報

  • 雑誌名:International Journal of Cancer (掲載時Impact Factor: 6.4)
  • 論文名:Association between CDK4/6 inhibitors and drug-related osteonecrosis of the jaw: A pharmacoepidemiological study using the FDA Adverse Events Reporting System.
  • 著者:Makiko Go, Yoshihiro Noguchi, Rikuto Masuda, Hiroki Asano, Michio Kimura, Eiseki Usami, Tomoaki Yoshimura
  • 論文URLhttps://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ijc.34962
  • DOI番号:10.1002/ijc.34962
  • オンライン掲載日:2024年4月15日

研究室HP

医療連携薬学研究室https://www.gifu-pu.ac.jp/lab/renkei/
病院薬学研究室https://www.gifu-pu.ac.jp/lab/byoyaku/